USDT詐欺・ビットコイン詐欺の手口|TRON経由の送金は追跡できるのか
被害相談で最も多いのがUSDT(テザー)、次いでビットコインです。通貨とチェーンによって、追跡のしやすさと凍結の可能性は大きく変わります。
「暗号資産を送ってしまった」といっても、何をどのチェーンで送ったかによって、その後にできることは変わります。詐欺グループが送金先として指定してくる通貨には、はっきりとした傾向があります。
なぜUSDT(TRON)が指定されることが多いのか
- 価格が米ドルに連動するステーブルコインなので、受け取った側が値下がりリスクを負わない
- TRONチェーン(TRC-20)は送金手数料が安く、着金が速い
- 国内外の取引所で広く扱われており、換金しやすい
- 被害者側も「ドル建てだから安全」と誤解しやすい
USDTはEthereum(ERC-20)、TRON(TRC-20)、BNB Smart Chainなど複数のチェーンで発行されています。同じ「USDT」でもチェーンが違えば別物で、送金の追跡もチェーンごとに行います。送金画面で選んだネットワーク名を覚えておいてください。
チェーンによる追跡のしやすさの違い
| 通貨・チェーン | 追跡のしやすさ | 備考 |
|---|---|---|
| ビットコイン(BTC) | 追跡可能 | UTXOという仕組みのため、どの資金がどこへ動いたかを1円単位で特定できる |
| イーサリアム(ETH / ERC-20) | 追跡可能 | アカウント方式。DEXでの交換やブリッジを挟まれると経路が複雑になる |
| USDT(TRC-20 / TRON) | 追跡可能 | 送金件数が多く経路が枝分かれしやすいが、記録自体は公開されている |
| 匿名性通貨(Monero等) | 追跡困難 | 送金元・送金先・金額が秘匿される設計。国内の主要取引所では扱いがない |
ステーブルコインには発行体による凍結の仕組みがある
USDTやUSDCといったステーブルコインには、発行体が特定のアドレスを凍結(ブラックリスト登録)できる仕組みが備わっています。実際に、犯罪利用が確認されたアドレスが凍結された事例が公表されています。
ただし、これは個人の申し出で発動するものではありません。法執行機関からの要請にもとづく措置であり、調査会社が発行体に依頼して凍結できるものでもありません。「当社が凍結します」と説明する事業者がいた場合は、事実と異なります。
送金してしまった後に確認すること
- 1送金したチェーンを確認する
取引所の送金履歴に「ネットワーク」「チェーン」として記録されています。USDTの場合は特に重要です
- 2TXID(トランザクションハッシュ)を控える
ビットコインとTRONは64桁、Ethereum系は0xで始まる66桁の英数字です
- 3送金先アドレスを控える
相手から指定された入金先アドレス。TRONのアドレスはTで始まります
- 4自分で着金先を見てみる
ブロックエクスプローラーにTXIDを貼り付ければ、送金の記録は誰でも確認できます
- 5調査会社に相談する
複数のウォレットを経由した先の取引所まで特定するには専門の解析が必要です
資金がどこまで動いたかを確かめるところから
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